横になると苦しいのですが、
どんな病気が考えられますか?
「横になると苦しい」という症状は、①心臓疾患、②呼吸器疾患、の2つが考えられますが、臨床医にとってこのフレーズは、「心不全」の典型的な症状ですので注意深く診察を行うことになります。そのため、重要なことは心不全の可能性をまず第一に考えて評価を行う必要があるということです。
「横になると息苦しい」という症状は、「心不全」に特徴的な症状です。
①心不全
心臓の働きが低下し、心臓から全身に血液を十分に送れなくなり、身体が必要とする酸素が不足している状態です。その結果、腎臓に流れる血液の量が少なくなると、尿を作る働きが悪くなります。尿が作られないと水分が体内に貯留することになり、足がむくんできます。むくみは身体に余分な水分がたまっている状態のことですが、ひどくなると肺の周りにもたまるようになります。その結果、呼吸をしても酸素がうまく入っていかなくなり、横になると肺の周りの水が肺全体を覆うこととなり、更に息苦しくなってしまうのです。つまり、「横になると苦しい」という症状は心不全ではかなり進行している状態で要注意なのです。
②睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に無呼吸といびきが繰り返されることで、良い睡眠がとれず、体に様々な障害を起こします。新幹線の運転手さんが居眠り運転をしたことで話題になった病気です。睡眠中に舌が喉に落ちこむことで空気の通り道を閉塞し、そのために酸素が身体に入っていかなくなります。通常は日中の眠気などが主な症状ですが、ときに睡眠中の窒息感などの症状を起こすことがあります。
③気管支喘息/慢性閉塞性肺疾患
肺への空気の通り道である気道が狭くなる病気です。気管支喘息は自律神経の影響で夜間でも特に明け方に症状がでやすいと言われています。また慢性閉塞性肺疾患は夜間はたんが出しにくく気管支内にたまってしまって気道が狭くなり症状につながります。
息苦しさを感じる場合、
クリニックを受診した方が
よいですか?
はい、早めの受診をお勧め致します。息苦しさという症状に、レントゲン撮影や採血などの検査を加える事で、問題が肺にあるのか、心臓にあるのかの評価が可能になります。入院が必要となるケースもありますので、普段と異なる息苦しさがある場合は1日も早く受診されることをお勧めします。放っておいて呼吸状態が悪くなると、心臓への負担がさらに大きくなり、重症化することも考えられます。
夜寝ていると息苦しくなって目が覚めました。
起きて座ると、だんだんと楽になりました。
心臓からくる症状かもしれませんね。
いくつか検査をしてみましょう。
息苦しさを感じる時には、
どのような検査を行いますか?
まずは①心臓が悪いのか②肺が悪いのかを確認します。特に「横になると苦しい」時は、心不全による可能性が高く、慎重に検査を進めていきます。心電図、心臓エコー検査、胸部レントゲン検査をして心不全を評価します。同時に採血(BNP)検査で心不全の重症度を評価します。心臓の可能性が除外できたら、呼吸機能検査を併用して呼吸器疾患の可能性を考え検査し診断につなげます。精査が必要な時には胸部CT検査を追加することもあります。睡眠時無呼吸症候群の場合は、就寝中にクリップタイプの検査機器を指先につけるだけで把握できます。
日常で疲れやすさなどはありませんか?体重が増えていませんか?
この頃、疲れやすくなったような気がします・・・
体重も少しずつ増えています・・・
その息苦しさ、
心不全が原因かも知れません。
少しでも気になる方は、
お気軽にご来院ください。
ネット予約をご利用いただきますと、
当日スムーズに診察することができます。