ほくろとは
直径約5〜6mmまでの黒っぽい皮膚の変色を、一般的に「ほくろ」と呼びます。盛り上がっているものもあれば、平坦なものもあります。誰にでも、また全身のどこにでも発生することがあります。
そもそも皮膚の色は、メラノサイトという細胞が作るメラニン色素の量によって決まります。紫外線などによってメラノサイトが活性化し、メラニン色素が作られることで、ほくろができます。
ほとんどのほくろは良性であり、見た目が気にならない場合には基本的に治療は不要です。
なお当院では、炭酸ガスレーザーによるほくろの除去を行っています。見た目が気になる、あるいはメラノーマの心配があるという場合には、一度ご相談ください。
メラノーマ(悪性黒色腫)
との区別は?
メラノーマ(悪性黒色腫)とは、皮膚がんの一種です。
生まれつき、または何年も前からある小さなほくろがメラノーマになることは基本的にありません。ただし、生まれつきある大きなほくろ、最近できて急激に大きくなるほくろなどは、メラノーマになる・メラノーマである可能性があります。
特に、以下のようなほくろについては、メラノーマを疑い、早急に皮膚科を受診する必要があります。
- 直径6~7mm以上のほくろ
- 急に大きくなってきたほくろ
- 左右非対称のいびつな形をしたほくろ
- ジュクジュクしているほくろ
- まわりの皮膚との境目が曖昧、ぼんやりしている
- 1つのほくろの中で色の濃淡が認められる
いぼとは
皮膚から盛り上がっている小さなできもののことを、一般的に「いぼ」と呼びます。
硬いものもあれば、やわらかいものもあります。また、ドーム状のものもあれば、先が尖ったようなものもあります。
当院では、炭酸ガスレーザーによる、メスを使わないいぼの除去を行っています。見た目が気になるという場合には、お気軽にご相談ください。
ほくろの原因
紫外線
紫外線を浴びると、メラノサイトという細胞が活性化し、ほくろの原因となるメラニン色素が作られます。
太陽からの紫外線が強いのは夏や晴れた日ですが、冬場や曇りの日であっても、紫外線は降り注ぎます。日焼け止めクリーム、日傘、帽子、サングラスなどによって紫外線対策を行うことで、ほくろの発生を防ぐことが可能です。
女性ホルモン
プロゲステロンという女性ホルモンが分泌されると、メラニンの産生が促進されます。プロゲステロンは、生理前・妊娠・出産などの際に分泌が多くなることから、これらの時期は特にほくろが発生しやすくなります。
生理的な現象ではありますが、規則正しい生活を送ること、バランスの良い食事を摂ることで、プロゲステロンの過剰な分泌を抑えられると言われています。
肌への刺激
擦る、引っ掻く、叩く、引っ張るといった物理的な肌への刺激は、メラノサイトの活性化とメラニン色素の産生を促すため、ほくろの原因となります。
メイクやスキンケアの際に刺激を与えないこと、かゆみなどの皮膚トラブルを予防する(無意識に掻いてしまうため)ことが大切です。
生活習慣
生活習慣が乱れると、新陳代謝が遅れたり、ホルモンバランスが崩れたりすることで、ほくろや皮膚トラブルが発生しやすくなります。
栄養の偏り、睡眠不足、ストレス、不規則な生活リズムなどが認められる場合には、改善を図りましょう。
ほくろの種類
先天性のほくろ
先天性のほくろは、後天性のほくろと比べて悪性化する可能性が高くなります。特に大きなものについては、良性・悪性の診断を受けておきましょう。悪性化の可能性が高い場合には、悪性化する前に除去が必要になることもあります。
後天性のほくろ
後天性のほくろは、大きく以下のように分類されます。
ウンナ(Unna)母斑
直径1cm程度の、やわらかいしこりのようなほくろです。
クラーク(Clark)母斑
直径1cm程度の、楕円形のほくろです。中央部の色がやや濃くなります。
ミーシャ(Miescher)母斑
ふくらみのあるほくろです。年齢と共に、徐々に色が薄くなります。
スピッツ(Spitz)母斑
若い人に多い、黒色~褐色のほくろです。メラノーマとの鑑別が重要です。
なお、後天性のほくろについても、直径が6〜7mm以上、急に大きくなった、左右非対称、まわりの皮膚との境目が曖昧、濃淡が認められるといった場合には、悪性化が疑われます。
いぼの原因
いぼの原因の多くは、「ヒトパピローマウイルス」というウイルスの感染が占めます。皮膚にできた小さな傷などからウイルスが入り込み、感染します。
その他、紫外線や加齢によっていぼができることもあります。
いぼの種類
ウイルス性のいぼ
主に、ヒトパピローマウイルスの感染によって起こるいぼです。ヒトパピローマウイルスは、子宮頸がん、男性の尖圭コンジローマの原因にもなるウイルスです。
また、水いぼの原因となるウイルスとして、伝染性軟属腫ウイルスがあります。
紫外線・加齢・摩擦によるいぼ
紫外線、加齢、摩擦なども、いぼの原因となります。
頭皮、顔、首は、特に紫外線や摩擦を原因とするいぼが発生しやすい部位と言えます。紫外線対策を行うこと、メイクなどで刺激を与えないことが、いぼの予防となります。
当院のほくろ・いぼ治療
当院では、メスを使わない炭酸ガスレーザーによるほくろ・いぼの治療を行っております。
ピンポイントの照射で、まわりの組織をほとんど傷つけずにほくろ・いぼを除去することが可能です。痛みが少なく、傷痕が目立たず、出血もほとんどないほくろ・いぼ治療を、ぜひご検討ください。
なお当院では、CO2高周波レーザー「エスプリ(Esprit)」を導入しています。