居眠り運転・運転中の眠気

居眠り運転・運転中の眠気

居眠り運転・運転中の眠気

交通事故の原因の1つに、居眠り運転があります。そして居眠り運転の原因には、前日の夜更かしだけでなく、睡眠時無呼吸症候群や眠気を催す薬の服用、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
居眠り運転や運転中の眠気の原因、居眠りをしてしまう方がどのようなことに気をつけるべきなのかといったことについてご説明していきます。

居眠り運転・運転中の眠気の原因

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に無呼吸状態が繰り返される病気です。一晩(7時間)あたりで30回以上、または1時間あたりで10回以上の10秒間以上の無呼吸が認められる場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
多くはいびきを伴いますが、無呼吸もいびきも本人が自覚していないことが少なくありません。無呼吸により中途覚醒が繰り返されること、酸素の供給量が低下することなどから身体には大きな負担がかかっており、翌日の日中の眠気、疲労感・倦怠感が抜けません。そしてこの眠気は、時に抗いがたいほど強くなり、居眠りを引き起こします。
2000年以降の、睡眠時無呼吸症候群を原因とした居眠り事故をご紹介します。

2002年 和歌山県 乗用車が対向車線へとはみ出し軽乗用車と正面衝突。3人が重軽傷を負った。
2003年 岡山県 山陽新幹線の運転士が、新幹線を運転中に約8分間の居眠り。急停車後も、気づかず居眠りを続けた。
2005年 滋賀県 名神高速道路にてトラック・バスなどによる多重事故。死傷者7名を出す。
2008年 山形県 高速バスの運転手が眠気に襲われ、走行が不安定になる。気づいた乗客が、バスを停車させた。
2008年 愛知県 大型トレーラーが運転手の居眠りによって赤信号の交差点に進入。横断歩道を横断していた男性が死亡した。
2009年 長崎県 遊漁船が岩場に衝突。釣り客ら死傷者3名を出す事故に。
2012年 群馬県 関越自動車道にて走行中のツアーバスが、運転手の居眠りにより壁に衝突する。死傷者45名を出す大事故に。
2012年 東京都 首都高速湾岸線にてトラックがワゴン車に衝突。死傷者6名を出す事故に。
2018年 神奈川県 路線バスの運転手が運転中、突然意識を失い乗用車と衝突。死傷者は7名に。

このように、睡眠時無呼吸症候群は重大な交通事故を引き起こす要因の1つになります。
眠気という身近でありながら危険な症状は、甘く見てはいけません。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、早急に検査・診断、そして適切な治療を受けましょう。

薬の服用

風邪や花粉症の治療として服用する薬(抗ヒスタミン薬)の副作用として、眠気が生じることがあります。
仕事などの関係でどうしても運転をする必要のある方は、処方医に相談してください。眠気の出にくい抗ヒスタミン薬も開発されています。

生活習慣

夜更かし、過労、昼夜逆転などによって、運転中に眠気を感じることがあります。
仕事などでどうしても運転をしなければならない場合も、眠気を感じた時には車を安全な場所に停めて仮眠をとる、ストレッチをする、顔を洗う、ガムを噛むといったことで対策を講じましょう。

運転中の眠気は睡眠時無呼吸症候群かもしれません

運転中の眠気は睡眠時無呼吸症候群かもしれません

睡眠時間をしっかり確保しているはずなのに運転中に眠気が来る、そういった日が続いているという場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群の診断・治療に対応しているクリニック・病院を探し、早めに受診するようにしてください。まずはご自宅での簡易検査が行われます。また必要に応じて、精密検査が追加されます。
治療中は定期的な通院が必要なため、ご自宅や職場から近い医療機関に相談されることをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群の検査・治療
について詳しくはこちら

睡眠時無呼吸症候群による事故でも厳罰に処されます

睡眠時無呼吸症候群による事故でも厳罰に処されます

2014年、「自動車運転死傷行為処罰法」が施行されました。これにより、病気の影響による危険を知りながら車を運転し、その病気の影響で正常な運転が困難になった場合も、飲酒運転と同じように厳罰が下されることとなりました。相手が亡くなった場合の最高刑は、懲役15年です。
そしてこの法律における「病気」に、睡眠時無呼吸症候群が含まれるのです。以前とは異なり、睡眠時無呼吸症候群の人が交通事故を起こした場合、先述した刑事責任を問われることとなります。
睡眠時無呼吸症候群の診断を受けていたり、その可能性があるのに運転をするのがどれだけ大きな問題になるかということを、私たちは改めて認識する必要があります。

違反点数について

居眠り運転の交通事故を起こした場合、安全運転義務違反または過労運転のいずれかが該当することになります。「安全運転義務違反」の違反点数が2点であるのに対して、睡眠時無呼吸症候群などの病気、過労、薬物などを原因とした「過労運転」の場合、違反点数は25点となります。
もし運転中に眠気を感じたら、車を安全な場所に停め、以下のような対応によって、眠気を取り除いてから運転を再開しましょう。どうしても眠気が抜けない場合には、代行運転業者を利用してください。

運転免許の取得・更新の際は睡眠時無呼吸症候群の申請が必要です

運転免許の取得・更新の際は睡眠時無呼吸症候群の申請が必要です

運転免許証を取得する際、あるいは更新する際には、病気の有無について答える問診票に記入・提出します。
睡眠時無呼吸症候群関連としては、「重度の睡眠障害の有無」について質問される項目があります。この質問に対して、不眠や日中の眠気などの睡眠障害を自覚しているにもかかわらず虚偽の回答をすると、罰則の対象となることがあります。
この問診票をもとに、公安委員会によって病気の可能性があると判断された場合には、診断書の提出を求められます。また、それまでは免許の取得・更新ができなくなることがあります。

大きな事故を引き起こす前に当院へご相談ください

居眠り運転は、誰かに怪我をさせる、あるいは命まで奪ってしまう可能性のある危険な運転です。
法律にはあらかじめ厳しい罰則を定めておくことで事故などを抑止するという側面がありますが、人の健康や命を奪ってしまうということがどれだけ悲しい、取り返しのつかないことであるか、運転をする人は知っておく必要があります。
日中の強い眠気を感じる方、疲労感・倦怠感が長く続いている方、夜間のいびきや無呼吸などの症状がある方は、運転を控え、お早めに受診してください。そして仕事や通勤で車を運転する人は、一刻も早く検査を受ける必要があります。

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