ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群ネフローゼ症候群とは、尿に大量の蛋白がもれでてしまい、浮腫、低蛋白血症、高コレステロール血症などを生じる病気です。腎臓が悪くなるだけでなく、尿に大量の蛋白がもれでてしまうことで、血液中の蛋白が不足し、全身の合併症を引き起こします。代表的な合併症は血液が体内で固まりやすくなってしまい血管がつまる血栓塞栓症です。例えば脳の血管がつまれば脳梗塞になります。そのためネフローゼ症候群が疑われた場合にはすぐに精密検査と適切な治療が必要です。糖尿病による腎障害(糖尿病性腎症)でも大量の蛋白尿がでてむくむことはありますが、血液中の蛋白が低下し全身の合併症を引き起こしてくることは稀です。ここでは糖尿病などの明らかな原因がないネフローゼ症候群(一次性ネフローゼ症候群)について解説します。

ネフローゼ症候群の原因

一部のネフローゼ症候群では遺伝や自己免疫の関与など原因がわかってきているものもありますが、まだ原因のはっきりしないものも多いです。ネフローゼ症候群は腎生検による腎組織の顕微鏡での形態などから、微小変化型ネフローゼ、膜性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎などに分類されます。

ネフローゼ症候群の症状

ネフローゼ症候群では大量の蛋白尿がでてむくみがでるのが特徴の病気です。自覚症状としてむくみで気づかれることが多いです。立ち仕事などによる通常のむくみと違い体に水分がたまるために体重も増えてきます。また、蛋白尿による尿の異常な泡立ちで気づかれることもあります。

ネフローゼ症候群の診断と治療

ネフローゼ症候群は尿蛋白3.5g/日以上、血清アルブミン値3.0g/dl以下などを満たすと診断されます。どの種類のネフローゼ症候群かによって治療が違ってくるため、さらに詳しく診断するためには腎生検による腎臓の組織検査が必要になります。一次性ネフローゼ症候群の多くはステロイドを中心とした免疫抑制治療を行うことで、蛋白尿やむくみは改善し、腎機能悪化をくいとめることができますが、中には治療に抵抗し、腎不全へと進行してしまう場合があります。そのため一次性ネフローゼ症候群は国の指定難病となっています。ネフローゼ症候群ではより厳しい蛋白制限などの食事療法も必要になります。
もともと糖尿病の患者さんがネフローゼ症候群になった場合に糖尿病による蛋白尿(糖尿病性腎症)なのか、一次性ネフローゼ症候群によるものなのか判断に迷う場合にも腎生検による精密検査が必要になります。なぜなら糖尿病性腎症なら根本的な治療は糖尿病をよくすることですが、一次性ネフローゼ症候群に対するステロイド治療はかえって糖尿病を悪化させてしまうからです。

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