尿路結石・尿管結石

尿路結石・尿管結石とは

尿路(腎臓〜膀胱まで)・尿管(膀胱〜排尿口まで)で結石が形成され、通過することで激しい痛みと血尿を呈するのが典型的です。日本では女性より男性に多く、食生活の変化・肥満の増加・診断技術の向上によって患者数が増加しております。

尿路結石・尿管結石の原因と症状

原因

原因結石を作る材料(シュウ酸カルシウム・リン酸カルシウム・尿酸・リン酸マグネシウムアンモニウムなど)が腎臓から代謝される際に、過剰になって溶けきれないものが結晶となって出てきますが、微小であれば無症状のまま尿に流れていきます。そこに、尿の流れが停滞しやすい要素(前立腺肥大症、神経因性膀胱など)や結晶ができやすい環境(尿のpH:酸性・アルカリ性の度合い)が重なると結石ができやすくなります。

症状

典型的には激痛(冷や汗をかくほど)・血尿が見られますが、時に悪心・嘔吐を来す場合もあります。イラストにもあるように、典型的には背中(腰をかばうような姿勢)や下腹部の痛みを訴えます。

尿路結石・尿管結石の診断と検査

問診(上記症状の有無を確認)・診察で尿路・尿管結石を疑った場合、以下の検査を行いますが、状況によって選択します。

尿検査

尿管結石の場合、結石が尿路を傷つけながら移動するので血尿を呈することが多いのですが、血尿を呈する他疾患の可能性も念頭におきつつ行います。
血液検査→必ずしも必要ではないですが、結石をおこしやすい状況(高カルシウム血症・高尿酸血症など)を確認する場合、他疾患を念頭に置くときに行います。

画像検査

超音波(エコー)検査

(結石によって尿流が停滞することで見られる)腎盂の拡張・尿管の拡張並びに結石自体の有無を検索します。侵襲がなく繰り返し行うことができる検査である反面、小さい(5mm以下)結石の場合、特定できない場合もあります。

CT検査

結石の存在をほぼ確実に見つけることが可能です。また、他の疾患(大動脈解離・腸閉塞など)を見つけ出すにも有効な検査です。ただし、できる施設が限られる、放射線被曝があるなどの難点もあります。

尿路結石・尿管結石の
治療と再発予防

治療

(5~)10mm以下の結石であれば自然排出が期待できるので、水分摂取を十分に行います。また、痛みに対しては鎮痛薬(内服・座薬・注射)で対応します。
10mm以上の場合は、部位・大きさによりますが体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や、細径尿管鏡による内視鏡下結石破砕術(TUL)などを泌尿器科にて行うことが考慮されます。
なお、1ヶ月以上の排石がない場合も、腎機能障害や感染を回避するために積極的に介入治療を考えます。

予防

尿路結石の5年再発率は約45%と高いので、しっかりとした予防が必要です。水分摂取をこまめに行い、尿が濃縮して結石ができるのを防ぐことが重要です。あと、理論的には尿管結石の材料となる栄養素を含む食事を制限した方が良さそうなのですが、実際の問題として、

シュウ酸

シュウ酸お茶・コーヒー、葉菜類の野菜(ほうれん草など)、タケノコ、ココア、アーモンドなど、他の成分が体に良いとされるものが多いので、制限するより(野菜なら)茹でるなどしてシュウ酸を減らした上で摂取した方がいい。

カルシウム

実際は、カルシウム摂取が少ない方がかえって結石発生が多かったという報告が出ており、制限はすべきでない。
と、いうこともあります。ただし、高尿酸血症がある場合はプリン体の制限は行った方が適切です。
あと、肥満は尿路・尿管結石の危険因子であるため、適度な運動・食事によって肥満を是正することは重要です!

参考文献:尿路結石症診療ガイドライン2013

【執筆者】
医療法人糖心会べっぷ内科クリニック
理事長 別府浩毅

【執筆者】医療法人糖心会べっぷ内科クリニック
理事長 別府浩毅

専門資格

日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医
日本糖尿病・妊娠学会
日本糖尿病協会 療養指導医
日本循環器学会 循環器専門医
心臓リハビリテーション学会 心リハ指導士
日本腎臓学会
日本透析医学会 透析専門医

所属学会

日本内科学会
日本糖尿病学会
日本糖尿病・妊娠学会
日本糖尿病協会
日本循環器学会
心臓リハビリテーション学会
日本透析医学会

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